LPレコード・アルバム「急いで口で吸え! スネークマンショー」

LPレコード・アルバム「急いで口で吸え! スネークマンショー」



この音源は、私が学生時代の終わり頃に音楽仲間とともに車の中でさんざん聞いたカッセト・テープと同じものです。

なので、カセットテープで売り出されていたものと思い込んでおり、まさかLPレコードがあったとはと驚いています。

さて、本アルバムについて紹介していきましょう。

“Snakeman Show = 急いで口で吸え!”は、ラジオ・コント/パフォーマンス・ユニット「スネークマンショー」によるアルバム(LP)作品です。

基本情報

項目 内容

アーティスト名 スネークマンショー (Snakeman Show)

タイトル 急いで口で吸え! / Snakeman Show = 急いで口で吸え!

形式 LP(長尺アナログ・アルバム)

レーベル Alfa(アルファ)

ジャンル 電子音楽、ロック、コント/ナンセンス・ギャグ混合

内容・特徴

このアルバムは、スネークマンショーが「ギャグ」+「音楽」のスタイルで制作した、実験的・風刺的要素を強く含んだ作品です。

以下、特徴的な点をあげます。

曲構成とトラック

全体で 18 曲 程度が収録されており、音楽トラックとコント(ナレーション的なパート、ギャグ的パート)が交互・混在する構成。

音楽性と演出

音楽パートは、当時流行していたニュー・ウェイヴ、電子音楽、ロック等の要素を取り込みつつ、ちょっとした風刺や皮肉を込めた歌詞や演出がなされているようです。

コント部分は“盗聴エディー”など架空のキャラクターを使った演出も含まれており、ラジオ的・劇的な要素を持たせてあります。

アルバム全体を通じて、「通常の音楽アルバムとは違う“作品”」としての性格が強く、聴衆に対する挑戦性やユーモア性が含まれています。

全曲リスト(トラック順)

A面 Snakeman Show — 盗聴エディー P-1
Y.M.O. — 磁性紀-開け心-
    Snakeman Show — 盗聴エディー P-2
    Sheena & The Rokkets — Lemon Tea
    Snakeman Show — はい、菊地です(~7人の刑事)
Snakeman Show — 盗聴エディー P-3
The Rockats — All Thru The Nite
伊武雅刀と The Spoil — Stop The New-Wave
Sandii — Jimmy Mack

B面 Snakeman Show — 急いで口で吸え
The Crap Heads — 黄金のクラップヘッズ
Snakeman Show — シンナーに気をつけろ
Doctor Kesseler — Me Que Me Que (メケ・メケ)
Snakeman Show — 正義と真実
Klaus Nomi — Cold Song
You An’ Me Orgasmus Orchestra — 咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3
Snakeman Show — これなんですか
You An’ Me Orgasmus Orchestra — ごきげんいかがアゲイン

なお、「盗聴エディー」「はい、菊地です」「これなんですか」などのトラックは主にコント(語り・ネタ)パートであり、音楽演奏というよりギャグ・演劇的な要素が混在していると見られます。

A面

A1 盗聴エディー P-1
この“盗聴”をテーマにしたナラティブ/コント的パートの第1章。スネークマンショーの定型的な“世界観”を導入する役割か。

A2 Y.M.O. — 磁性紀-開け心-
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の曲。“磁性紀 — 開け心 —”というタイトルで、YMO側が提供または参加した演奏と思われる。実験音楽/シンセ系の要素を含むトラックで、ギャグとのコントの間に“音楽的な緩衝”を設ける構成。

A3 盗聴エディー P-2
前後をつなぐコント的挿入。A1との続きとして“盗聴エディー”シリーズが展開。

A4 Sheena & The Rokkets — Lemon Tea
シーナ&ザ・ロケッツの楽曲「Lemon Tea」。ポップ・ロック系の楽曲で、聴きやすさを担保する“音楽パート”として機能。

A5 はい、菊地です(~7人の刑事)
このトラックは、ポール・マッカートニーが大麻所持で逮捕された件を「はい、菊地です」として尋問風コントに模したナンセンス・ギャグとされています。

A6 盗聴エディー P-3
“盗聴エディー”シリーズの3部構成、物語の進行役といえるパート。

A7 The Rockats — All Thru The Nite
アメリカ/海外のロカビリー/ネオ・ロカ・系グループ The Rockats の曲。アルバムにおける異なるジャンル挿入的役割を果たすパート。

A8 伊武雅刀と The Spoil — Stop The New-Wave
伊武雅刀(スネークマンショーのメンバー)と The Spoil(ザ・スポイル)による曲。「ニュー・ウェーブを止めろ」という皮肉を込めたタイトルから、音楽・ギャグの交錯が強いトラックと推察されます。

A9 Sandii — Jimmy Mack
サンディーによる「Jimmy Mack」(モータウン系カバー曲?)を起用。アルバム全体のバラエティ性を出すための選曲。

B面

B1 急いで口で吸え
アルバムのタイトル曲。スネークマンショー自身の演奏または演出を伴った楽曲/トラック。ギャグ・風刺性が強く出されていると思われます。

B2 The Crap Heads — 黄金のクラップヘッズ
The Crap Headsというグループ名のパロディ感を含んだバンドが演奏する曲。タイトルからユーモラスな皮肉や語呂遊びの要素が濃厚。

B3 シンナーに気をつけろ
“ドラッグ”を素材にした警鐘風ネタ。スネークマンショーが時折絡める社会風刺色の強いトラック。

B4 Doctor Kesseler — Me Que Me Que(メケ・メケ)
Doctor Kesseler(ドクター・ケスラー)名義の、やや実験的・異国風/不思議系トラック。アルファ絡みのアーティスト・構成の一環。

B5 正義と真実
タイトルそのまま、やや概念的/皮肉的なテーマを扱うスネークマンショー自身によるナンバー。

B6 Klaus Nomi — Cold Song
クラウス・ノミの楽曲「Cold Song」。ノミは強い印象を与える海外アーティストであり、この曲の挿入はアルバムの“異質性”を強めるアクセント。

B7 You An’ Me Orgasmus Orchestra — 咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3
この曲は、日本における“初期ラップ・実験”として語られることが多く、プロト・ヒップホップ/リズム語りの要素が強いトラック。細野晴臣らがバックをつけている、という話も見られます。

歌詞・語りの掛け合い、展開の斬新さが聴きどころとされることが多いです。

B8 これなんですか
薬局でコンドームを買おうとするやりとりや、商品を扱う場面でのギャグが挿入されている、短めのコント的トラックと伝えられています。

B9 ごきげんいかがアゲイン
“咲坂と桃内 ごきげんいかが”シリーズの続編的トラック。語り・リズム・ラップ混成の要素を持つと見られています。

当時の反響・評価・影響

このアルバムが発表された1981年当時、スネークマンショー自体はすでにラジオ番組で一定の人気と注目を集めており、アルバム化への期待もあったようです。以下、確認できる反響・評価・その後の影響を列挙します。

反響・話題性

発売当時、異質な構成(コントと音楽のミックス)、風刺的・ナンセンスな笑いのセンス、そして豪華なミュージシャン参加(YMO、クラウス・ノミ、シーナ&ザ・ロケッツ、サンディーなど)が話題になったという記述があります。

特に “咲坂と桃内のごきげんいかが 1・2・3” は、“飛び道具的ラップナンバー” として紹介されることがあり、アルバムの目玉のひとつと見なされていました。

また、クラウス・ノミの楽曲挿入も“衝撃的なアクセント”として語られることが多く、アルバムの異彩性を強めた要素として言及されています。

評価・批判

現代の中古ショップやレビューサイトでは、「クセが強いアルバム」「聴く人を選ぶ」などという評価も少なくありません。たとえば、HMV のレビュー欄には“スネークマンショーの一連アルバムの中でもクセが強い方”というコメントがあります。

一方、ファンブログ・レビューでは「今聴いても斬新」「ギャグと音楽のバランスが絶妙」「ラップ表現の先駆け」など肯定的な声が目立ちます。

ブログ「音系戯言」では、このアルバムを「日本のラップとしても先駆的」「現在でも通じるシュールな笑い」などと高く評価する記述があります。

影響・後世の評価

スネークマンショーそのものは、ラジオ番組から出発したコント・音楽ミクスチャー型のユニットで、後のポッドキャスト的表現やお笑い・音楽クロスオーバー表現の先駆と見る向きもあります。

“咲坂と桃内…” のラップ的アプローチは、日本における音楽+語り表現、ラップ文化の文脈でしばしば言及され、後のヒップホップ系表現者から“先行例”として扱われることもあります。

アルファ・レコードという当時の先端的なレーベル体制、YMO やプラスチックスといった前衛音楽勢との協業構造も、このアルバムを通じて評価される点です。

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