板垣李光人が見た戦争の現実 激戦の地ペリリュー島 戦後80年【ワイド!スクランブル】(2025年12月19日)

板垣李光人が見た戦争の現実 激戦の地ペリリュー島 戦後80年【ワイド!スクランブル】(2025年12月19日)



 戦後80年を迎えるなか、日本軍とアメリカ軍の激戦の地となったパラオのペリリュー島。戦車や戦闘機などの戦跡が今なお多く残されているペリリュー島を俳優・板垣李光人さんが訪問した。

■戦禍残るペリリュー島

 天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが、先月27日、戦争を描いたアニメ映画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」のチャリティー試写会に出席し、主人公の声を務めた俳優・板垣李光人さんらと映画を鑑賞された。

 この映画は、太平洋戦争で激戦地となり、多くの日本人が命を落としたパラオのペリリュー島を舞台に兵士らの友情を描いた物語だ。

 このペリリュー島には戦後70年にあたる10年前、当時の天皇ご夫妻が初めて訪れ戦没者を慰霊された。

 日本から南へおよそ3000キロ。586の島々からなる「手つかずの楽園パラオ」。その南西に位置する、南北およそ9キロの島がペリリュー島だ。

 第一次世界大戦後は日本の統治下で、重要な軍事拠点だった。1944年(昭和19年)9月15日、ペリリュー島にアメリカ軍が上陸を開始。当時、東洋一とも呼ばれた飛行場を占拠する作戦だったという。

 アメリカ軍4万人に対し、旧日本軍は1万人あまりという戦力差のなか、2カ月以上にわたって激戦が続いた。

 旧日本軍およそ1万人のうち生き残ったのはたった34人。アメリカ軍も1600人以上が死亡したとされている。

 その犠牲の多さと過酷さにもかかわらず、ほとんど語られることのない「忘れられた戦い」が、アニメ映画化された。

■板垣李光人が見た激戦地

板垣さん
「あそこがペリリュー島。思っていたより広いですね。横に長い」
「この場所で80年前に戦争があったという」

 死と隣り合わせだった兵士の思いをどう演じればいいのか?板垣さんは4月、ペリリュー島を訪れた。

 案内してくれたのはツアーコーディネーターの平野雅人さんだ。

 美しいこの「オレンジビーチ」の砂浜こそ、アメリカ軍が最初に上陸した場所といわれている。

板垣さん
「こんなにきれいな場所から、美しい場所から、ああいうことが始まってしまったというのは、すごくいろいろな思いが込み上げてくる場所です」

平野さん
「こちらですね。こちらが日本軍の陣地となった『千人洞窟』といわれている場所です」

 旧日本軍およそ1000人が身を潜めた洞窟で、その多くは、板垣さんと同世代の若者だった。

板垣さん
「すごい、この天井の低さと、この狭さ。何日間も。実際の『暑さ』と『狭さ』と『暗さ』を感じると、本当に壮絶だったというのがすごく肌で感じますね」

 アメリカ軍は、当初2、3日で陥落するとみていたが、旧日本軍は島内に張り巡らせたおよそ500もの「洞窟陣地」にこもり、2カ月以上もの長期戦に持ち込んだ。

 終戦後も、洞窟に立てこもり続け、生き残った日本兵34人が武装解除したのは、戦闘終結から2年半後の1947年(昭和22年)4月だった。

 戦争の爪痕は、島の至る所に残り激戦を今に伝えている。

板垣さん
「どうしても物語として聞くことしかなかったので、それが本当にノンフィクションになったというか、今すごく思いますね」

■激戦を物語る戦跡

 ペリリュー島に今も残る戦跡。VTRで板垣さんが訪れていた「オレンジビーチ」や「旧日本軍の戦車」「千人洞窟」など板垣さんが訪れた場所以外にも、島内には多くの戦跡がある。

 ペリリュー島のツアーコーディネーターの平野さんは、「戦争当時のことを知る機会はなかなかないが、ここでは戦跡を間近で感じられるので、生々しく伝わる」という。ただ、「島は海に囲まれ、戦跡は野ざらしの状況が多く、劣化が激しいので、戦車などは触れば折れてしまうような物もある。当時の物をどう継承していくのか」といい、それが一番の課題ではと話していた。

■日本語由来のパラオ語

 日本と関係が深いパラオ。日本統治時代の影響で、日本語由来のパラオ語の言葉がおよそ1200語以上あるとされている。

 平野さんにお聞きしたところ、謝る時に「ゴメン(ごめん)」、その返しとして「ダイジョーブ(大丈夫)」と、ほとんど日本と同じようなやり取りが交わされるそうで、こうした言葉は今も日常的に使われているそうだ。

 そして、「ツカレナオース」というパラオ語は、仕事の後など疲れを癒すという意味で、「疲れをなおす」という日本語がもとになっている。

 パラオの人はビール好きだそうで、ストレスを発散させる際に、アルコールを摂ることが多く、平野さんによると「ビールを飲むこと」を意味して「ツカレナオース」がよく使われているそうだ。

■戦争アニメに込めた想い

 そんなペリリュー島を舞台に兵士らの友情を描いたアニメ映画が、5日公開された。

 板垣さん演じる心優しい漫画家志望の主人公、田丸均。遺族に向けて亡くなった仲間の勇姿を書き記す「功績係」を任される。勇猛で頼れる上等兵、吉敷佳助を演じるのは中村倫也さん。

 壮絶な世界で紡がれる、戦火の友情物語「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」。

 5日公開の映画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」だが、漫画「ペリリュー -楽園のゲルニカ-」の原作者で映画の共同脚本である武田一義さんは、ペリリュー島を題材としたことについて「もともと、戦争を描きたいという漠然とした想いがあったなか、2015年に当時の天皇皇后両陛下がペリリュー島に慰霊訪問に行かれた報道を目にしたのがきっかけとなった。ペリリュー島を調べるなかで、戦争に行った兵隊さんは、国を守るために戦った志の高い人という先入観があったが、“今を生きている自分と全く変わらない若者たちだった”と感じ、価値観が変わった」そうだ。

 そして、特徴的なのが、リアルな描写とかわいらしい3頭身のキャラクターの組み合わせで、その意図を武田さんは、「かわいいのはキャラクターのデザインまでで、戦場で実際に起こったことは、ごまかさずリアルに描写すると決めていた。そうすることで『キャラクターがかわいいから、きつい現実の話でも読んでいける』と思えるように気を配った」そうだ。

 映画の中で、特に板垣さんが印象に残っているシーンがあるという。

 突然の空襲警報に、足を滑らせ転倒して命を落としてしまった仲間の小山一等兵。

 「功績係」を任された田丸が、仲間の死を嘘を交えて美談に仕立てたシーンが印象に残っているそうだ。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年12月5日放送分より)
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp

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  1. お父さんとお母さんがペリリュウに慰問に行かれましたね。愛子さんとこの映画御覧になられて嬉しい限りです

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