「ええ?マジ?」「通常ありえない」元従業員の証言でKAZUI運航準備の実態明らかに 知床沖観光船事故裁判

「ええ?マジ?」「通常ありえない」元従業員の証言でKAZUI運航準備の実態明らかに 知床沖観光船事故裁判



知床沖の観光船沈没事故の運航会社社長、桂田精一被告の刑事裁判です。去年11月に初公判が行われ、きょう(16日)で5回目です。証人尋問では運航会社の元従業員など合わせて3人が証人として出廷しました。
元従業員の男性は、桂田被告が主張する条件付き運航について、事故当日「指示はなかった」と証言しました。

高橋海斗記者)
「いま桂田被告が釧路地裁へと入っていきました。これから3人の証人への尋問が行われます」。

2022年4月、知床沖で乗客乗員26人を乗せた小型観光船「KAZUI」が沈没した事故。
運航会社「知床遊覧船」の社長・桂田精一被告は、悪天候が予想される中、運航管理者などでありながら運航の中止を指示せず観光船「KAZUI」を沈没させ、乗客乗員を死亡させた業務上過失致死の罪で起訴されています。
去年11月の初公判で桂田被告は

桂田被告)
「当日の朝、カズワンの出航に関して船長から荒れる前に引き返すと言われ、それなら大丈夫だろうと思い出航しました。しかし事故は起きました。私にはこの内容が法律に反するか分かりませんので、法律家に判断していただきます」。
また弁護側は「事故は予見できなかった」などとして無罪を主張しています。

事故直後の会見で、桂田被告が繰り返していた言葉があります。

桂田精一被告)
「条件付き運航であることを豊田船長と打ち合わせ」、「条件付き運航という話で」、「条件付き運航で出しているので」。

桂田被告は、悪天候が予想されたため、海が荒れた場合に途中で引き返す「条件付き運航」を決めたと主張していました。

きょう(16日)の裁判では、「知床遊覧船」の元従業員の男性が、証人として出廷しました。

中川宙大記者)
「桂田被告は元従業員が証言台に立つまでじっと見つめていました。そして元従業員が話し始めると手元の資料を見るなどしていました」。

男性は事故当日、乗客の受付業務にあたっていました。桂田被告が主張する「条件付き運航」については、こう証言しました。

検察官  「乗客に条件付き運航の説明はしましたか?」。
元従業員 「していません」。
検察官  「なぜですか?」。
元従業員 「そういう指示はなかったので通常通りにしました」。

男性は、条件付き運航になれば、乗客に知らせる張り紙や払い戻しの準備なども必要になると説明しました。

検察官  「桂田被告との電話の際に条件付き運航の話をしていない?」。
元従業員 「していないです」。
検察官  「なぜ言い切れるのですか?」。
元従業員 「条件付き運航のときは通常の業務を止めて4つの業務が増えるから」。

また男性は出航直前に事務所に訪れたある乗客について証言しました。

元従業員 「点呼をして事務所を出発した後、午前9時40分から9時45分の間に2人のお客様が来られました」。
検察官 「どういうお客さんでした?」。
元従業員「1人は女性で30代ぐらい。もう1人は6歳くらいの男の子でした」。
検察官 「予約のあった方でしたか」。
元従業員「飛び込みで入られた方でした」、「まだ間に合うので船長に電話をして『これから2人のお客様が乗られるから出航を待ってほしい』と言いました」。

この証言を聞いた乗客家族の中には涙ぐむ人もいました。きょう(16日)の裁判では事故当日、「KAZUI」の出航を手伝った別の元従業員も出廷しました。

検察官    「運航の開始日を聞いたのはいつですか?」。
別の元従業員 「2週間ぐらい前です」。
検察官    「そのときは具体的に何隻出るとかコースとか聞きましたか?」。
別の元従業員 「いえ、ありません」。
検察官    「具体的なことを知ったのはいつですか?」。
別の元従業員 「1週間前です」。
検察官    「証人はどう思いましたか?」。
別の元従業員 「ええ?マジ?と思いました」、「通常ありえないことです」。
検察官    「ありえないというのは?」。
別の元従業員 「船長も甲板員も決まっていないということです」。

またこの男性は事故当日の天気について船長と会話をしていました。

検察官   「船長に事故当日の天候について初めて伝えたのはいつですか?」。
別の元従業員「 事故当日の1週間前くらいに「(事故当日の)4月23日はひょっとしたら午後からダメかもしれないぞ」と伝えました」。
検察官   「ダメかもというのは?」。
別の元従業員「しけるということ」。
検察官   「KAZUIが出航するまでに船長と話す機会はありましたか?」。
別の元従業員「2回ありました。1回目は船の接岸を手伝った時、「午後から波が高くなるから気をつけろ」「事務所にある無線機のアンテナが折れているから気をつけろ」といいました」。

息子が行方不明の父親
「 (裁判を聞いて) 条件付き運航なんかしていなかったと。とにかくずさんな会社。きょう話がいろいろ出て、すべてにおいてずさんで、この事件が起こるべくして起きたなと裁判でわかりました」。

裁判はあす(17日)も開かれ、漁業関係者や専門家合わせて4人が証人として出廷する予定です。

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View Comments (25)
  1. この傷ましい事故…憤りしかない
    ただ、遊漁船や観光船がこの桂田のせいで

    あり得無い条件を科される現実
    学校の不祥事もそうですが1人の責任でクラブ全員の責任は、おかしい
    この日本の風習は、
    桂田に極刑を!!
    他の船長は、それを見て更に引き締まる。

  2. 所詮金儲けしか頭にない奴なんてこんなもんだよ
    都合の悪いことは責任転嫁して、トカゲの尻尾切りで逃げようとする
    人の命より自己保身しか考えてねぇロクデナシだよ

  3. 瀬戸内海を航行するような小舟を北海の荒波の海に使用するのが異常だよ。さらに無線機も壊れているとか異常だよ。

  4. 犯罪まがいのことしても、金稼いでうまく逃げ切ったら勝ちだもんなぁ
    この社長の後ろにも、金稼いでるコンサル連中居るでしょ
    現状、この社長隠れ蓑で実害ないしうまい商売だったろうね
    ビックモーターも損保ジャパンも、上連中から実行犯の現場も結局逃げ切ったし

  5. 社長の人間性がアカンな。人の命とかどうでもいいんだろうな。そりゃ安全無視のずさんな会社になるわ。

  6. 言っちゃ悪いけど資本主義やってる限りはこれバレないなのが最強なわけで、資本主義やってるうちはまた起こるという現実はある
    金儲けさえできればやり方も人間性も問われないし、現にこれやらかした後もホテル経営してるもんなこの社長

    別に共産主義とか社会主義とかやれとは言わんが、資本主義の欠点から目を逸らして全肯定してるからこういうことが起こる

  7. ど素人が口を出して、死亡事故が起きても、いまだに刑務所にも入ってないの??合法殺人みたいな事故多すぎ。ちゃんとさばかれるべきなのでは?

  8. ここのヒグマウォッチングクルーズ何年か前に乗ったことあるけど、霧が濃くて何も見えない上海が荒れてて酷い揺れで乗客の8割が嘔吐してて、それでも決まった運航は変えられないらしくただただ苦しいだけの時間を1時間以上耐えなければいけなくて船内が地獄絵図だった

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