1962年 団地の家族|お父さん、三船敏郎を見た!
1962年、神奈川県小田原市。
仕事で訪れた会社の帰り道、お父さんと上司は、酒匂川の堤防で映画の撮影が行われていることを知ります。
ちょっと寄り道してみると、そこにはなんと、黒澤明監督と三船敏郎の姿が!
当時、2人は日本映画界を代表する黄金コンビでした。
1948年の『酔いどれ天使』で初めて組んで以来、『羅生門』(1950年)、『七人の侍』(1954年)、『隠し砦の三悪人』(1958年)など、数々の名作を生み出してきました。
1961年には『用心棒』が公開。三船敏郎演じる浪人・三十郎の豪快な剣さばきが観客を魅了しました。
続く1962年1月1日には『椿三十郎』が公開。
そして同じ1962年、黒澤監督は三船敏郎を主演に迎え、新作『天国と地獄』の撮影を進めていました。
舞台は現代日本。身代金誘拐事件を通して、人間の葛藤や社会の格差を描くサスペンス映画です。
翌1963年3月1日に公開され、黒澤映画の代表作の一つとなりました。
夕方、団地に帰ったお父さんは大興奮。
「今日、三船敏郎さん見ちゃったよ!」
「いいなー!」
去年、お父さんと一緒に映画館で『用心棒』を見た息子は、うらやましくてたまりません。
映画が家族の共通の楽しみだった、昭和37年。
スクリーンの向こうの大スターが、ほんの少しだけ身近になった一日でした。
※物語の家族と偶然の出会いは創作です。酒匂川の堤防で黒澤明監督と三船敏郎が打ち合わせをしている様子は、当時の写真に記録されています。
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