「渡さんの歩き方だけは、盗めない」――。高倉健と渡哲也は、生涯一度も同じ映画に出ていません。この物語の渡哲也は、健さんが付き人にそう漏らしていたことを、四十年たった冬の夜に知らされます。褒め言葉に聞こえるその一言で、なぜ彼は「一番ひどく負けた」と語るのか。
昭和五十年、『仁義の墓場』で呼ばれた東映の撮影所。二階の窓から見下ろした砂利道を、健さんは毎日七十二歩で歩いていました。自分が歩くと八十一歩。たった九歩の差が、渡を夜中の駐車場へ向かわせます。チョークで引いた七十二本の線。やがて『大都会』『西部警察』で子どもたちまでが真似をした「大門の歩き方」には、誰にも言えない出どころがありました。
健さんの鞄を十一年持った男が、撮影所の暗い道で歩いて見せた足。『駅 STATION』の前の年、ホテルの廊下で何があったのか。そして「あの足は、誰を追いかけていたんですか」という問いに、渡が返せた一言とは。褒められて負けるという敗北の正体を、晩年の渡哲也の一人語りでお届けします。
渡哲也、高倉健、石原裕次郎、吉永小百合、石原プロモーション、『西部警察』『大都会』、東映映画を愛した昭和の映画ファンの方へ。誰かの背を追いかけ続けてきた方に、聴いていただきたい物語です。
※本チャンネルはAI音声合成による創作朗読です。作中の発言・展開はすべてフィクションであり、実在の人物・団体の見解を表すものではありません。作中の付き人、守衛、衣装部の男性、マネージャーは架空の人物です。
▼ チャプター
0:00 高倉健の言葉
0:41 仁義の墓場と健さんの歩き方
2:34 七十二歩の衝撃
3:54 駐車場での特訓
5:29 大門の足の誕生
6:54 裕次郎の言葉と大門の足
9:56 健さんとのすれ違い
11:25 ハーモニカと足の秘密
11:46 健さんの死と安堵
12:14 付き人の告白
16:08 健さんの「盗めない」
18:43 四十年の負けの正体
━━━━━━━━━━━━━━
📚 関連商品(Amazon)
━━━━━━━━━━━━━━
📖 流れゆくままに(渡 哲也/著)
渡哲也さん本人が綴った自伝。日活から石原プロへ、看板を背負い続けた役者の素顔が見えてきます。
📖 「高倉健」という生き方(谷 充代/新潮新書)
高倉健さんの身近で取材を重ねた著者による一冊。現場での佇まいや人への礼の尽くし方が伝わります。
📀 駅 STATION [DVD](高倉健・倍賞千恵子/降旗康男監督)
健さんが刑事を演じた北海道の物語。作中で渡が何度も巻き戻す雪の道の映画です。
📀 西部警察 PARTⅠセレクション 大門BOX 1 [DVD]
サングラスにショットガン、煙の中から歩いてくる大門団長。作中の「大門の歩き方」を確かめられます。
https://www.amazon.co.jp/dp/B006U73UW2/?tag=makogarei-22
📀 時雨の記 [DVD]
渡哲也さんと吉永小百合さんの共演作。大門とは違う、物静かな男を演じた一本です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00069BM3O/?tag=makogarei-22
※Amazonアソシエイトリンクを含みます