尾崎豊と、プロデューサー須藤晃。
16歳の尾崎がオーディションを受けたCBS・ソニーで、担当になったのが須藤さんでした。須藤さんは当初、尾崎の「まるで人生を悟ったかのような硬直した詞が気に入らなかった」といいます。音楽の話はあまりせず日常を訊き、「今どんな本読んでいるの?」と聞くと、尾崎はカバンからエーリッヒ・フロムの『愛するということ』を取り出したそうです。
会社は最初、尾崎を「こういうやつは売れない」と言っていました。それでも須藤さんは「尾崎豊が最初に『卒業』を創って持って来たとき、日本の音楽シーンを変えるだろうと思った」。「『卒業』の詩は無骨で素人っぽく、たぶん他のプロデューサーだったら直していただろう。でも僕は直さなかった」。
ルックスがいいのに顔写真をアルバムのジャケットに使わず、会社に怒られたこともあったそうです。須藤さんの答えは「ルックスがいいから使わない」でした。
1992年4月25日、尾崎豊は26歳で逝去しました。
出典:
立命館大学 講義記録(2004年 須藤晃氏)
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ss/2-gakubu/top-gakubu/jasrac/0417.html
立命館大学 講義記録(2008年 須藤晃氏・質疑応答)
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/ss/08jasrac/zenki/9/kougi9.htm
文春オンライン 2022-05-13(須藤晃『尾崎豊 覚え書き』の引用)
https://bunshun.jp/articles/-/54198
楽曲提供:株式会社FLMusic