非常宣言 0’00~
ファミリア 7’47~
非常宣言
監督/ハン・ジェリム
ザ・キング(17)
駆け出しの若き検事が、悪に染まっていく姿を描いた1本
出演/
ソン・ガンホ
イ・ビョンホン
イム・シワン
キム・ナムギル
バイオテロを描いたパニック映画。
これはもうハリウッドでリメイクされるのではないだろうか?
ひじょうに面白い!
という前評判を聞いていたが、まさにその通りで、
劇中のどんでん返しのどんでん返しの連続でハラハラドキドキの素晴らしい展開となっている。
今作品自体。コロナ禍担ってからの企画と思いきや、
実は10年ほど前から企画をされていたということ
その結果。コロナ禍に於ける不安と緊迫感をエッセンスになっているともいえるが、これは完全に時流に乗ったともいえる。
国際空港で怪しい動きをする男(イム・シワン)
そして娘とともにハワイ行きの飛行機に乗る男(イ・ビョンホン)
妻が飛行機ハワイ旅行に向かうが、仕事で残った刑事ク・イノ(ソン・ガンホ)
ク・イノは子どもたちからの通報で、飛行機でのテロ予告を捜査する。
そのころ離陸するハワイ行きの飛行機KI501
その中で怪しい男・リュ・ジンソクは機内のトイレで殺人ウイルスを仕込む。その最初の感染者は吐血して死亡する。
空港で怪しい男に絡まれたパク(イ・ビョンホン)はリュ・ジンソクを激しく問い詰めるのだった
飛行機内で被害者がでたことはネットやニュースになると同時に子どもたちの通報が真実であり、通報された男がリュ・ジンソクであることが判明する。
リュ・ジンソクの狙いはなにか?
そして感染者が続出する飛行機は無事に着陸することができるのか?
総合的に見て、90年代のハリウッド映画的な展開でとても面白い。
80年代映画のように荒唐無稽で、行き当たりばったりの映画ではない
安心を与えておいて、不安を煽る
そして改めて安心をさせつつも新たな問題が発生する
という
また感染した乗客がいる飛行機を各空港が拒否するというのは、コロナ感染の客船を寄港拒否したのを考えると当然の流れかもしれない。
そういうところは
90年代映画のようにちょっとしたリアル感エッセンスとご都合主義的な部分をうまく配合しているので「とても見やすい映画」になっている。
旅客機の内部の撮影なども気合が入っていて、インセプションなどのように、セットをぐるぐると回して俳優たちは実際に逆さまになったり真横に倒されたりしたのだろう
とてもそのあたりは迫力があり、見ていて酔う人もでるのではないか?と思うほど。
感染映画といえば
カサンドラ・クロス
であったり
アウトブレイク
のような展開が王道ではあるが、この映画もいい意味で王道ストーリーともいえる。そこから2転3転する流れは今風かな?
でもパニック映画としては一線級の展開ではある
これは近年の韓国政府の混乱をそのまま表しているといえるし、すぐに責任問題や体裁を気にするゆえの判断の遅さなど韓国政府の対応シーンを観る限りは、監督自身が「政府に対して不信感などをもっているのか?」と思うほど政府中央は無能感満載
このあたりは日本の映画でも、ケレン味たっぷりに描く作品があっても良いかもしれない
そういう中での
チョン・ドヨン演じるキム国土交通省大臣の凛としたかっこよさなどは、女性リーダーの登場を改めて期待している部分などを表しているのかもしれない。
その一方でツッコミどころも満載
自衛隊機も登場するが、自衛隊のスクランブルは基本的に2機のチーム対応なのであそこはちょっとねw
あと、あの飛行ルートでの航空機の場所を考えると、ああいった行動はしない
絶対にしない。
海の上ならまだしも威嚇射撃はよほどじゃない限りしないし、軍用機以外でそういったことはほぼありえないからちょっと冷めてしまった感
でもF2を出すところがね
自衛隊スクランブルはF-15だからねぇ
とまあ ツッコミどころはさておき、そういったところをぜひスルーするのを前提として見に行ってもらえると良いと思う
久々の新作パニック映画として楽しめる1本
直接的に共演はほぼないとはいえ韓国俳優の豪華共演も見どころ
ラストは尻切れトンボ的になるが、ソン・ガンホのラストって
酔拳の幻のラストにも見えてしまうのは自分だけだろうか?
ファミリア
監督/成島 出(なるしま いずる)
孤高のメス(10)
八日目の蝉(11)
草原の椅子(13)
ソロモンの偽証(15)
グッド・バイ 嘘から始まる人生劇場(20)
いのちの停車場(21)
出演/
役所広司
吉沢亮
サガエルカス
ワケドファジレ
松重豊
MIYAVI
佐藤浩市
「ファミリア」というタイトルと予告の「国籍も関係なく家族になる」という吉沢亮のセリフからかけ離れた物語になっているのがポイントで人種も国籍も違う人たちが心を通わせて家族になる…というイメージを持っている人は、そのイメージを捨てて観る覚悟が必要な映画
確かに家族の物語ではある
主人公の息子は海外で活躍するほど成長するが妻に先立たれていて、一時帰国した息子・家族との距離感に戸惑う
ブラジル人のマルコス(サガエルカス)は家族の父親を亡くしていて、取り返しのつかない状況に追い込まれ、未来の家族にも危険が及ぶ
悪役の海斗(MIYAVI)も愛する家族を亡くしている
という家族とは縁の薄いキャラクターたちの群像劇ともいえる映画になっている。
移民問題でもなければ、国際問題でもない
人種差別が物語の根底にある
ブラジル人の集まるクラブでの喧嘩騒ぎ
それは地元の半グレ集団の金を盗んだブラジル人がいたためで、仲間のために対抗した他のブラジル人仲間は仕事を追われる者もでるのだった。
陶芸で生計を立てる主人公のもとに息子(吉沢亮)が帰ってくる。傍らには結婚をしたアルジェリア人の妻がいた。
息子から陶芸の継ぎたいと言われるが断る主人公は複雑な心境になる。
主人公は、半グレから追われ怪我を負ったブラジル人マルコスと遭遇。手当をしたがマルコスは何も言わずにさらに逃走する。
マルコスの恋人であるエリカが謝罪とともに現れ、彼らが住む団地に招待されフェスティバルに参加するのだった。
しかし半グレ集団は海斗のブラジル人への恨みのためブラジル人を追い詰めていく行動を始めるが…
この物語の根底は人種差別ではあるものの、身勝手な恨みと復讐心に巻き込まれる部分は、映画を見ていても素直に受け入れるには厳しい、難しい部分が多々ある。
暴力に対する対抗措置として、ラストに向けて主人公の過去の設定が活きてくるが、それでもちょっと見ていて無理があるように見えてしまう。
それはそこにいたるまで、シャイでいい親父というシーンしか無いためかもしれない。
「過去はかなりのやんちゃだった」というセリフが前フリになるのだが、それだとしても前フリとしては弱すぎるのは否めない。
社会問題ではあるもののメジャーニュースなどでは取り上げられることの少ない、ブラジル人移民、2世、3世の抱える問題や悩み…と言った部分の掘り下げなどのきっかけになる映画ではあるものの、全体的に「ファミリア」というタイトルが直接的にリンクしないところが、賛否の分かれるところともいえる。
役所広司と佐藤浩市の2人がスクリーンにでると、ビシッと締まるし演技のうまさもあって引き込まれていくのは間違いない。
この2人のお陰で120分を飽きることなく最後まで見られた
役所広司の演技は流石の一言。
彼の演技を見るだけでも価値はあるかもしれない