松本清張の『西海道談綺』(字幕付き)【3/5】 松平健 古手川祐子 三波豊和 中村敦夫 宮内洋

松本清張の『西海道談綺』(字幕付き)【3/5】 松平健 古手川祐子 三波豊和 中村敦夫 宮内洋



​《ストーリー》
日田郡代 公事方手付けとなった恵之助は 部下の公事方書役 村上平八(狩野勝行)の案内で 前任者 鈴木九郎右衛門が殺害された現場を確認するため 日田から豊前四日市に向かった その途中 森の中に ほら貝の音が鳴り響き「宇佐石体権現」という上りを持った山伏集団の行列が現れ 数人がかりで重そうにつづらを担いでいた

―― これより先は ネタバレに注意 ――

森藩の城下に入り 恵之助が馬継ぎをしていると 奈良井宿で手助けした佐野寛右衛門が出迎えてくれて「もしお困りになりましたら 老骨の命に代えてお力添えを致します」と言葉をかけてくれた 一服した後 村上はこの先の道中は小者に任せて 自分は陣屋の準備もあるので一足先に四日市に参りますと言い残し 馬を走らせた

四日市陣屋は手代の吉田孫六(堀礼文)が取り仕切っていた 翌日 殺害現場を案内した吉田は 殺された鈴木は鎌で背中をめった切りにされていたと ならば下手人は百姓か いや安易にそうとも言えないが その直後 嘉助が「だっだっ!旦那っ!」と大声で叫んだ 急いで駆け付けてみると 昨日一足先に出発したはずの村上の死体がそこに 無残にも首を切られ 手には粗金を握っていて 犠牲者はこれで二人目となった

数日後 恵之助は 屋形船で日田七軒衆と顔合わせをした その席で浜島孝介(島田順司)から「代官所と掛屋の旦那衆とは持ちつ持たれつでいいじゃありませんか?」と暗に同意を求められ 「日田の掛屋は江戸にも付き合いがありまして 気まぐれな夜風が隅田川の匂いを運んでくることもあります」と言われ そのほうへ目を向けると 向いの舟には何とおえん(古手川祐子)が乗っていた 

おえんは一人旅ではなく 以前 恵之助が 柳橋の上総屋で博打勝負をした備前屋(小沢象)には 日田の掛屋とも付き合いがあり 今度も取引があるというのでご一緒させて頂いたという その話を聞いて あの備前屋が 遠く日田の地にまで商売の手を伸ばしていたのかと 見えない糸で繋がれた組織を見るような思いがした

恵之助は 殺された村上が握っていた粗金を調べるため 肥後峯尾鉱山に 旧知の振矩師 甚兵衛(中村敦夫)を訪ねた すると これは花吹黄金 混じり気なしの本物の金だと言う 何故それを村上が握っていたのか そこが知りたい これは私の職務だ 力を貸してくれ と恵之助が訴えると 甚兵衛もまた 今は身動きがとれない よんどころのない事情で一人預かっているのでと 申し訳なさそうに それは湯山の温泉宿で見掛けたあの女のことか ならば心配するな 手助けしてくれる人がいる と恵之助が助け船を出した

しばらくして浜島(島田順司)から 鈴木 村上を殺害した容疑者を検挙したとの報告があり 捕らえたのは四日市陣屋の吉田で 犯人は百姓の源次 金を持っていそうな武家を鎌で殺した それが鈴木であり 村上であったと 吟味をしたのは向井(宮内洋)で 一切の書類は整っている 陣屋に手落ちはないとの報告に 何かでき過ぎているとは思いませんか? と浜島は納得のいかない様子 恵之助はすぐに嘉助を呼んで 犯人の源次を捕らえた現場に出向いて この一件の裏を取ってくれと頼んだ

甚兵衛(中村敦夫)は 恵之助の計らいで 連れてきたお島(風祭ゆき)をおえんに任せて 自分は恵之助の手助けをしなくちゃならないので と言い残してその場を去り 嘉助は津江筋へ事件調査に向かった しかし下手人らしき者を見たという人はおらず 西山には 時々どこからか人が来て死人を埋めて帰るという噂もあり 多い時で5,6人 よく山伏のほら貝の音が聞こえてくるという 結局 嘉助は何の手掛かりも得られないまま帰途に着く羽目となり 不運にも途中の山道で落石に遭い 川へ転落して流されてしまう 

一方 おえんは お島の世話をするうちに向井の目に留まり しつこく迫られるが 秀観(刈谷俊介)に見つかり 如何にも性急過ぎると 格下からたしなめられる 宿へ戻ったおえんは お島から「太田恵之助という方と一緒になるんですか」と聞かれ「分かりません でも江戸に帰ったら あと3年経ったら 私はそう信じています」と嬉しそうに答えると しだいにお島の表情が曇ってきた おえんはまだ お島の本当の姿を知らないようだ

【つづら】
衣服を入れる編みかご ツヅラフジで編む 竹やひのきの薄板を編み 紙をはったのもある

【馬継ぎ】うまつぎ
宿場で馬を乗り換えること またはその場所 江戸時代には、宿場に駅馬(継ぎ馬)が用意され 旅人が乗り継いで移動していた

【振矩師】ふりがねし
鉱山の間切 切山 煙貫きなどの工事に当たる 鉱山付測量技術者

Add a comment

コメントを残す