【黒澤傑作選】「傑作はこうして誕生した!」黒澤ヒューマニズムの頂点『生きる』誕生エピソード

【黒澤傑作選】「傑作はこうして誕生した!」黒澤ヒューマニズムの頂点『生きる』誕生エピソード



世界の名だたる映画人から今も敬愛される巨匠、黒澤明。特に、三船敏郎との黄金コンビによる数々の傑作は、世界中の映画ファンを虜にしてきました。彼らは、1948年の『酔いどれ天使』から1965年の『赤ひげ』までの17作品中、16作でコンビを組みました。そして唯一、三船とのコンビではない作品が、1952年の『生きる』でした。この動画では、三船とのダイナミックな数々の傑作群の中で異彩を放つもう一つの傑作、『生きる』の誕生エピソードを辿りながら、その魅力に迫ってみたいと思います。

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View Comments (21)
  1. 小田切みきの最初のセリフが奮っていますね。
    「課長さんは、休暇を取らないのですか」「君がいないと役所が困るの」「いや、居なくても役所が困らないのがわかると困るのでね」いきなり公務員批判から始める。
    胃がんが解り、余命が幾許もないことを知った志村、飲めない酒を飲み、伊藤雄之助にフーゾクを案内してもらうが、胃がんは進行するばかり。
    小田切みきは、役所を辞めるのに志村のハンコがいるという。
    小田切みきの生命力に驚いた志村、小田切みきと付き合う。
    小田切みきはアルバイトをしておもちゃを作っていたが、志村が来るので、「課長さんも何か作ってみたら?」
    この一言で我に還った志村、市役所の未決済稟議に着目する。それは水たまりに公園を作って欲しい依頼でした。
    この仕事に命をかけた志村、同僚のイジメ、ヤクザの反対、市長の反対をみな無視して公園建設を雪のふる夜に完成した。
    葬式のシーン、志村の写真が同僚批判をしているようで面白い。
    最後を看取った警察官、最後志村はゴンドラの歌を歌いながら、最後を迎えたと。
    ベルリン映画で銀熊賞を受賞しました。でも黒澤作品の最高傑作だと思います。

  2. 小田切みきがストッキングを買ってもらって飛び出してバスに引かれそうになるシーンはドキドキします、黒澤明は狂っています。

  3. 志村喬は演技過剰だし、黒沢映画の常で間延びはするしで、戦前から昭和二十年台を彷彿とさせる、渡邉勘治の家の造作や名脇役日守新一の演技を楽しむだけで、教訓的な内容が好きじゃない。

  4. 七人の侍の次に好きな作品。
    後半突然場面転換して、役所の人達が故人について話す事で答え合わせをしていくのは画期的だと思ったけど、
    あの演出はそういう経緯で生まれたんですね!
    お役所人間の理不尽さに苦しめられた経験から素晴らしい作品が生まれたと考えると

    普遍的な欠陥を持つ人間に一定の存在価値を感じます。

  5. World Meets Japanさん、数ある名作、その一品を紹介して頂き、有り難う御座います。人生のドラマ、だと思います。”生きる”。。は、どこの家庭でも有り得る平時の物語の様に思います。特に主人公の志村喬がブランコに揺られながら”ゴンドラの唄”を唄う、、その前に息子夫婦が外出から帰り、明りを付け、親父の財産をどうのこうの、と明りを付け話し遭う、主人公は隣の部屋で眼をパッチリ開けて思いに耽る。此のシーンは。。。

  6. 丁寧な編集と構成ありがとうございました。「生きる」は一部の意見として、道徳的過ぎるとか志村さんの演技がやりすぎ等々批判もありますが、シナリオの巧みさ、カメラワークの凄さ、出演者それぞれの演技がとても素晴らしい映画だと思います。私が最初に観たのは、52年前の再上映会でした。多感な高校生だった私は、とても感激し映画館を後にしたことを今でもハッキリ覚えています。辛口のニューヨークタイムズが志村さんのことを「世界一の名優」と評しました。マーロンブランドも観るべき価値のある映画は、「生きる」と「砂の女」と広言していましたし、デンゼルワシントンが来日した時、日本の若者が「生きる」を観た事がないと聞いて、がっかりしていたのを思い出しました。この映画は解説でもおっしゃられてましたが、官僚主義のデタラメさに親子関係の難しさ(これは東京物語でもテーマになってました)そして人間のあるべき姿に憧れつつ、それができない人たちの姿。我々の心の奥底にグサッと刺さる何か。黒澤映画の頂点を表す映画ではなかったでしょうか。自分が好きなシーンは、市役所の各課をたらい回しされる墨江町の婦人たちのシーン(一周してきた時は季節が変わっている)病院の待合での渡辺篤とのやり取りのシーン 胃がんを悟ってであろう、渡辺勘治が町の騒音も聞こえないくらいショックを受けて歩くシーン 息子夫婦に打ち明けようとするが、打ち明けられずに仏壇の妻の遺影や玄関の用心棒にしている野球のバットを見て幼かった光男との思い出を思い浮かべるシーン(霊柩車が道を曲がるときに光男が「おかあちゃんが行っちゃうよ!」野球でヒットを打って1塁に出た時、1、2塁間に挟まれてアウトになったシーン 世田谷区成城と思しきグランドなのに、サイダー飲んでるおっさんが、「ノーダンやのに、なにさらしとんねん!」とガラの悪いタイガースファンみたいな大阪弁で野次を飛ばすところ 夜の街で市村ブーちゃんのブギウギピアノからの「ゴンドラの唄」ダンスホールでの狂騒シーン(この中に深作欣二監督がエキストラでいるらしい)ダンス相手の女性とタクシー乗ってるとき、気分が悪くなって下車後に戻ってきた時の鬼気せまる表情(ライティングの妙)市役所内での各課への説得周りのシーン 助役や幹部連中のええ加減さの現れるシーン 土木部長に「昨日、中川で宴会があってね、最初から最後まで黙ってる芸子がいるんだよ・・・」特飲街を作ろうとするやくざとの軋轢 七人の侍では勘兵衛の忠実な部下役の加東大介さんが、「てめえ命おしくねえのかよ!」と凄み、親分か兄貴か知らないが、宮口精二さんの恐ろしい横顔のシーン お通夜の席での日守新一さんが渡辺勘治を一人擁護するシーン だんだん酔ってきて左卜全さんが、本音をぶちまけるシーン「助役とハッキリ言え!」そしてほとんどセリフらしいセリフ聞いたことがないであろう、千葉一郎さんの警官のシーン(クロースアップ撮影で彼にとってはライフワーク)通夜葬儀が終わって通常の市役所の日々になり、皆は通夜の感激も忘れ(渡辺さんに続け!)元通りになったシーン 日守さんだけがささやかな抵抗を示す そして夕暮れの公園を俯瞰するシーン

  7. そうか『生きる』は三船敏郎が出ない映画なんだ。
    黒澤作品のベスト・ワンは『七人の侍』ではなくこれだと思います。
    まぁーこれを最初に見たときは驚きましたね。クライマックスの通夜のシーンは『七人の侍』のクライマックスより数段面白い。

  8. 個人的には「生きる」よりも、「七人の侍」や「用心棒」「隠し砦の三悪人」の方が好きですが。世界が認めるチャップリンやフェリーニなどの映画監督の作品とと同じく、「生きる」も、同じく世界が認める映画監督、黒澤明の代表作の一つと言えるでしょうね。

  9. 若い頃は黒澤ヒュマニズム映画の「生きる」「生き物の記録」「赤ひげ」に夢中になったけどなぁ。
    それから長く生きると、それらのヒューマニズムが逆に鼻につくようになった。
    それ以外の「活劇物」は楽しんで見られるけど、
    ヒューマニズムものって、話が綺麗すぎてどうも「ウソ」臭く感じるようになった。
    映画もドラマもそもそもが「ウソ」。
    計算の元に観客に考えさせたり泣かせたり、感動させたりを、脚本の段階で「作って」いくもの。
    渡邊勘治を演じる志村の迫真の演技、これは凄いと思う。
    赤ひげのセリフのない藤原鎌足の臨終の演技、これも凄いと思う。
    だが、それらはもう楽しむと言うより芸術のレベルの演技。
    また、赤ひげのいかにも「泣かせ用とする話・演技」これらもやはり計算で作られたもの。
    そう思うと、感情を揺さぶられる内容であればある程、計算に乗せられてるような気がするように。
    「活劇物」も愉快に楽しめる計算がされているが、
    こちらは感情を揺さぶられることがなく、映画の内容そのものを楽しめる。
    黒澤のヒューマニズムものって、何か「説教」されてるような感覚になる。
    「人間、こうあるべきだ、こう生きるべきだ」って。
    正直、その説教が重くて、計算で説教してるのなら、あざとさすら感じるように。
    だから、若い頃に感動していたヒューマニズムものが、逆につまらなく感じるようになった。
    作り物の映画に「説教」されてどうする、って。

  10. 「生きる」の陰の立役者は左卜全氏だと、私は思っています。氏は「何を言っているか、分からないのに理解出来てしまう」不思議な演技力で、後半を盛り上げて下さいました。氏なくば、この作品は名作なり得なかっと思います。

  11. ヤクザが役所へ来て「あんたが渡辺さんか、随分と余計なことをやってくれてるそうじゃねえか?ああッ?」渡辺は目をむいて「ふっ、うーん、うー」兄貴分は「うっ、てめえら、引き揚げるぞ」下っ端たち「?????」「ああいうやつが、いちばん怖いんだ」経験を積んだ兄貴分だから、事情を知らなくても「渡辺の危険さ」が本能的に理解できたのでしょう。

  12. 『生きる』と言うこれだけの正面を切ったタイトルの映画を撮った黒澤明監督は、本来ロシア文学から影響を受けた思想、哲学を自身の映画に投影させていた。ただ、映画として消化不良のまま映像化する事も多々あり、場面が奇異に映ることもある。
    ただ、生きるがこの頃の絵画の名画(クレマンの禁じられた遊び、フェリーニの道、ルイ・マルの死刑台のエレベーターなど)と比べても、見劣る印象がない。むしろ、「生きる」の完璧な脚本が洋画の弱点を浮き立たせる。

    哲学、思想は、文字で表現する小説が優位で、映画は向かないと言われるが、決してそうではない事を「生きる」で証明している。しかも、エンターテイメントとしての資質も映画が備えていることが凄い。
    後年、この映画を真似た模倣映画やドラマがたくさん出ていたらしいが、凡庸な映画にとどまってしまい、黒澤明監督の足下に及ばなかった。
    当時の黒澤明監督は、凡人には分からないゾーンに入っていたのかもしれない。この生きるの後に作った七人の侍は、さらに超大作にて傑作に仕上げたのだから常人ではない。

  13. 後半の通夜の場面でのやり取りは、酒が入って徐々に酔いがまわって来るという重要なポイントと共に、自分たちの立場や仕事への姿勢から渡邊に対する評価が行ったり来たりするという人間心理が巧みに描かれていると思います

    役人根性の現れなのか?
    自分たちより上の立場が下した判断や評価には容易に逆らえないと見え、これに抗おうとする木村の渡邊擁護論はたちまち袋叩きにあいますが、渡邊の人柄が急に変わったのは何故か!?と、マイペースの小原がぼやくと、彼のこれまでとは打って変わった仕事に対する熱心さが思い起こされていきます

    が、「その熱心さが却って公園計画をこじらした」と公園課の人間が口を挟むと自分たちの上司を自分たちが揶揄するのはいいが、いやしくも上司である以上他の課の者に悪く言われるのは、自分たちも批判されているようで心中穏やかではいられない

    これに対し、逆にその熱心さが他の課の人間を感心させてもいたというエピソードには、上司の熱心さに批判的だったはずの野口や坂井ですらささやかな自尊心がくすぐられ、そのお礼に「まあ、一杯どうぞ」となる・・・
    いや、それどころか他の課では渡邊に同情する雰囲気まで出ていたのに、総務課だけは最後までツレなかったと絡み出す始末

    それでも基本的な見方は変わらなかったが、思い出したように語られていく渡邊の驚くべき行動力、とりわけ助役に楯突いたという市役所開闢以来の寝耳に水の話は一同を一瞬にして凍りつかせた

    が、ここまで来ても自分たちの「何もしない」というお役所仕事に対する基本姿勢を正当化するために、渡邊の功績を認めたがらない一同に、社会的に危険な一派と対峙したことを自分がそうした訳ではないが、少なくともその場に居合わせていたという思いから渡邊の武勇伝?として係長の口から語られると、一同は再び酒のせいで回らなくなった頭を抱え込んでしまう

    そして遂に、「渡邊さんは自分が胃ガンであることを知っていた!」という確証が語られるに及び、「それならああなるのが当たり前」で、「自分もそうする!」などと言い出すが、しょせんは口先だけのこと

    が、最後には「渡邊さんにつづけ!!」と気勢を上げ大盛り上がりで一夜は明けるが、結局は酒の上での話!?

    これまで通りの日常が繰り返されるだけとなりますが、しかしだからこそ渡邊の隠れた功績はいつまでも輝いているとも言えます

    そして、一番下から一番良いものを・・・

    一番下座の人間が、少なくとも渡邊の功績に関しては一番良い仕事をしていたということも・・・

  14. 主人公の渡辺は奧さんに先立たれ一人息子を男で一つで育て上げ、戦前戦中戦後と回想する。成人した倅は新婚でイチャついて見向きもされず渡辺は泣き崩れる。

  15. 素晴らしい解説動画をありがとうございます。
    あの映画を観て本当に感銘を受けました。
    映画が出来た背景や、主人公が中盤で亡くなるという大胆な演出をした理由が知れてよかったです。
    今度リメイク版の映画も観てみます。

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