福島テレビは福島の“命の循環”の現実に迫るドキュメンタリー番組を制作。料理人、そして猟師でもある男性の覚悟を追った。男性の覚悟の先には、一体、何が見えているのか?
■命をいただく
郡山市の料理人・平山真吾。
色鮮やかに仕上げられたひと皿は、美しく完成された料理に見える。しかし、彼がこだわるのは、その一皿に至るまでの“過程”だ。
「普段、普通の人が絶対に立ち入らないとこに入っている。そういう背景を思い浮べながら食べて頂くことで、より一層、おいしさと命を頂くことの実感がすごく伝わるんじゃないかなって思います」
■命の循環を一皿に
平山は、山から料理を模索する。
ひっそりと育つ山の恵みも、何年もかけて育つ山の恵みも。平山は自然が育んだ時間を、そのまま皿へと繋げていく。
「自然の香りとかを嗅いだ時に、これなんか使えそうだなとか、景色とか土、自然界に触れていると料理のイメージが湧いてくる」と語る。
“命の循環”・・・自然の恵みを、自分の手を通してひと皿へとつなげていく。それが平山の理想とする料理。だが、福島の現実は皿に届く前に途切れていた。
■原発被災地 ふくしまの現実
平山は料理人であり、猟師でもある。福島の厳しい現実・・・原発事故以降、野生動物の流通には厳しい制限が続いている。
その多くが食用として扱えないまま、命はただ奪われていく。
「彼らも荒らそうと思って畑を荒らしているわけじゃなくて、自分らが生活するためにしょうがなく、畑に下りてきたりして。自分たちが、ただ生きるのに必死なわけですから、ただただ殺すっていうのは悲しいですよね」
料理として“つなぐはずだった命”と現実の中で“つながらない命”。その矛盾の中に、平山は立ち続けている。
平山はその現実に抗おうと一つの信念をもって「店の再出発」という重大な決断を下した。
■ナレーションは東出昌大さん
番組のナレーションを務めたのは、同じ猟師として活動する東出昌大さん。
料理人・平山真吾さんが「命をつなぐ」ために覚悟をもって進めた再出発。その平山さんの店に東出さんが訪れ、思いに触れた。
平山さんががつくる“ひと皿”に興味があったという東出さん。味わってみて「やっぱ食材ってちゃんと調理するとおいいですね。家庭じゃ作れないな、これ」と一言。
■料理人・平山の思いにふれる
さらに、東出さんが関心を示したのは、平山さんの“命を活かす”という強い思いだった。
東出さんは「平山さんはタフだなって。そのタフさっていうのは、多分動物愛もそうですし、植物に対する思いも、おいしいものを食べて頂きたいってお客さんへの思いもだと思う。そのタフさを発揮できるのって、愛情深い故だと思う。なんかすごい猟師さんが福島にいるなって。同士としてうれしくなる気持ちです」と話した。
平山さんの覚悟を追ったドキュメンタリー番組「二度死ぬ命~いのちを語るひと皿~」は、福島テレビで5月30日午後1時から放送する。